***日本におけるマーフィーブーム***
1981年の時点で『生きるにも技術がいる:人生工学の発想』(尤も、「ハガの法則」(グループ・ダイナミックス)の方に頁数を割いている。)にて紹介されている例があり、1988年にも『コンピュータ虫辞林』で、又、『アスキー』誌上でも、ホーテンスS.エンドウによるエッセー「マーフィーの法則の起源をめぐって」が1990年に掲載されている。
このように、既に日本でも「マーフィーの法則」は技術者の間で良く知られてるが、大きな話題をさらったのはMurphy's
Law and Other Reasons Why Things Go Wrongが『マーフィーの法則−現代アメリカの知性』として出版されて以降である。この原典となる書籍の邦訳によって「成功法則」は一般に広く知られるようになり、1993年後半から1994年前半の間、家庭や学校や職場や地域でも「・・の成功法則」遊びが流行。
「マーフィーの法則」がアメリカと日本でのブームの時は東海大学文明研究所教授謝世輝も指摘しているように各々未曾有の政治的・経済的危機に見舞われていて、そこからの脱出方策も不透明な情況であった。だからといって、「ネガティヴ」で「マイナス」思考を助長しているかと言うとそうとばかりは言えまい。昨今の『サラリーマン川柳』のように客観視し笑い飛ばしている面やマーフィー・ダイアグラムや東大名誉教授畑村洋太郎の提唱・リードする失敗知識データベース・失敗学会のように逆手に取って成功法則を活用している側面も見逃してはなるまい。
同様な観点からの批判として編集者兼ライターの桔梗清『「悲惨な法則」の危険なワナ:逆マーフィーの成功法則のすすめ』において紹介している「力動精神医学としての誘導自己暗示(療法)」(『無意識の発見:力動精神医学発達史』『自己暗示』より)につなげるものがある。
さらに、深層心理学の世界では、千葉大名誉教授多湖輝も指摘するように「成功法則11=挨拶をトチリそうだと思っている人は本当にトチる=」ように自己暗示により体が硬くなったり相反する気持ちを起こさせたりして思わぬ行動に出てしまうことはよく知られてることで、臨床心理士で又松大学校教授の青木智子もカール・グスタフ・ユングの「トリック・スター(「固定して動かなくなってしまった意識に、失敗や笑いをもたらしたり、思い上がりや自惚れを翻弄して新たな発展や変化への刺激を与えてくれるもの」で、成功法則についてユング自身は神話学者等との共同研究でアメリカ原住民の神話やヘルメス神話等から抽象化した概念)」理論から分析を試みている。
更にジグムント・フロイト学派のエリック・バーンやゴールドウィン夫妻の交流分析(特に脚本分析に見る「成功してはいけない」という禁止令)やC.ブラックやウェイン・クリッツバーグ等のアダルト・チルドレン(AC)の役割類型の「クラウン(道化師)」「マスコット(なだめ役)」「ファミリーペット(甘えっ子)」等の観点から解釈している福岡県立大学の杉田峰康や中部労災病院心療内科部長の芦原睦のグループもある。因みに、インナーチャイルドに心的傷害があるとき、ポジティヴ・シンキングは、不必要どころか有害な葛藤を引き起こし、最悪の場合、取り返しの付かない恐れがあるので、鬱病の時と同様にNGであることは、上記の「マーフィーの成功法則」(詳しくは後述)に対する優れた批判になる。
最後に確率論や認知科学(ヒューリスティックス発見的方法や共変関係認知論、ランダム性の誤認知論)から「マーフィーの成功法則」を説明している慶應義塾大学の増田真也等の業績も明解である。
マーフィーの法則 (Wikipediaより)
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